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❓ この回で答えたい問い / 这节要解决的问题
真核細胞は、どうやって正しい場所から転写を始めるのか?
真核细胞怎么把转录从正确的位置启动?——核心是“把TBP送到起点”。
分子生物学 / 第 8 回

真核生物の転写:プロモーター・TFIID/TBP・転写開始

真核生物转录:启动子、TFIID/TBP、转录起始
分子生物学 🔑 難易度 ★★★ 📌 TBP・コアプロモーター・CTD
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本講のポイント本课重点

真核の RNA ポリメラーゼは I・II・III の3種。II型がタンパク質をコードする mRNA を転写。真核RNA聚合酶有I/II/III三种,II型转录mRNA。
II型のコアプロモーター要素4つ:TATAボックス・BRE・イニシエーター(INR)・DPE。どれも必須でなく欠けがち。II型核心启动子4元件:TATA、BRE、INR、DPE,都非必需常缺。
上流要素:CCAATボックス↔CTF/C/EBP、GCボックス↔SP1。上游元件:CCAAT↔CTF/C/EBP、GC↔SP1。
全課の軸=TBP(TATA結合タンパク)TBP がないと転写は始まらない。TFIID=TBP+TAF。全课核心=TBP;无TBP不能起始;TFIID=TBP+TAF。
点火二段:TFIIH(ヘリカーゼ)が ATP で DNA を開き(開放複合体)、CTD のリン酸化でポリメラーゼが動き出す。点火两步:TFIIH解旋(开放复合体)、CTD磷酸化使聚合酶起步。
4つの DNA 結合ドメイン(要暗記):ジンクフィンガー・ホメオドメイン・bZIP・bHLH。四类DNA结合域(必背):锌指、同源域、bZIP、bHLH。
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講義の流れ这节课老师一步步讲了什么

🟢 緑=重要 / 绿色=重点🔵 青=流れ / 蓝色=过程💬 灰=余談 / 灰色=老师的闲话枝节
① 全体像:今日は3本柱
先生はまず「真核の転写」をテーマに掲げ、①3種の RNA ポリメラーゼ ②II型の開始・伸長 ③転写因子の構造の3本柱で進める、と地図を示した。老师先点题“真核转录”,给出三条主线:三种RNA聚合酶、II型的起始与延伸、转录因子的结构。
② II型のコアプロモーター要素
中心の II 型(mRNA を作る)から。TATAボックス・BRE・INR・DPE を一つずつ紹介し、「どれも必須でなく、欠けていることが多い」と強調した。从核心II型(造mRNA)讲起:逐一介绍TATA、BRE、INR、DPE;强调它们都非必需、常常缺。
③ 上流要素とその結合因子
少し上流のCCAATボックス(因子 CTF・C/EBP)GCボックス(因子 SP1)を紹介。シス配列(DNA)とトランス因子(タンパク)の対応を確認した。介绍上游的CCAAT框(CTF/C/EBP)和GC框(SP1);确认顺式序列(DNA)与反式因子(蛋白)的对应。
④ 余談:SP1 をどう釣り上げるか(HeLa細胞)
「GCボックスに結合する SP1 を取り出すにはアフィニティークロマト。材料は HeLa 細胞(Henrietta Lacks 由来、世界初のヒト株化細胞)。短い DNA を釣り針にタンパクを釣る」と実験法を紹介した。插话:用亲和层析钓出结合GC框的SP1;材料是HeLa细胞(来自Henrietta Lacks、世界首个人源传代细胞);用短DNA当鱼钩钓蛋白。
⑤ ハウスキーピング遺伝子
「掃除や食事のように常に発現するハウスキーピング遺伝子(解糖系酵素・アクチン等)は、TATAボックスがなく GCボックスを持つことが多い」と例を挙げた。讲管家基因(像家务一样常表达,如糖酵解酶/肌动蛋白):常没有TATA、而有GC框。
⑥ 全課の軸=TBP / TFIID
「ポリメラーゼは自分で開始点を見つけられない。TBP が先に座って道標を立てる。TBP がないと転写は始まらない。TBP は単独では弱く TFIID(=TBP+TAF) として働く」と核心を据えた。TBP が DNA を馬の鞍状に曲げる(ベント)話も。立全课核心:聚合酶找不到起点,TBP先就位插路标;无TBP不能起始;TBP单独弱、装在TFIID(=TBP+TAF)里;还讲TBP把DNA折成马鞍状(弯折)。
⑦ 最重要スライド:開始複合体の3例
この図を説明できれば今日は理解できた」と言って3例を比較:①TATAあり→TBP直接 ②INR/DPE→TAF経由で TBP ③GCボックスのみ→SP1→TAF→TBP。共通結論は『どうやって TBP を開始点へ運ぶか』。最重要的图:老师说“能讲清这张图今天就懂了”;比较三例(有TATA直接/INR·DPE经TAF/只有GC经SP1接力);共通结论都是“怎么把TBP送到起点”。
⑧ シス配列の方向・位置依存性
「CCAATボックス・GCボックスは方向は自由(逆向きでも効く)だが位置は上流に固定。これが後のエンハンサー(位置も方向も自由)との違い」と整理した。讲顺式序列:CCAAT/GC框方向自由(反向也行)、但位置必须在上游;这与后面的增强子(位置方向都自由)形成对比。
⑨ RNAポリ I と III
クラスIは核小体で大部分の rRNA(タンデムリピート、ITS で種同定)、クラスIII5S rRNA・tRNA・U6 を内部プロモーターで転写、と脇の2つを手早く整理した。快速整理另外两类:I类在核仁转录大部分rRNA(串联重复、用ITS鉴种),III类转录5S/tRNA/U6(内部启动子)。
⑩ 点火二段:開放複合体と CTD リン酸化
II型の機構へ。TFIIH(H=ヘリカーゼ)が ATP で DNA を開き開放複合体に。CTD のリン酸化でポリメラーゼが離れて動き出す(プロモータークリアランス)。リン酸化は Ser/Thr/Tyr のみ、と要点を押さえた。II型机制:TFIIH(H=解旋酶)用ATP打开DNA成开放复合体;CTD磷酸化后聚合酶离开起步(启动子清除);磷酸化只发生在Ser/Thr/Tyr。
⑪ 校正と病気
「伸長中は NTP が材料兼エネルギー源。間違いは TFIIS が校正(プルーフリーディング)。TFIIH のヘリカーゼが壊れると転写も DNA 修復もできず病気になる」と補った。延伸期NTP既是原料又是能源;错误由TFIIS校对;TFIIH解旋酶坏了则转录和DNA修复都不行、会致病。
⑫ 転写因子の構造:4つの結合ドメイン
締めに転写因子の構造。ジンクフィンガー(SP1・受容体)/ホメオドメイン(体軸)/bZIP(C/EBP・Jun/Fos)/bHLH の4つを代表タンパクつきで解説した(要暗記)。最后讲转录因子结构:四类DNA结合域(锌指/同源域/bZIP/bHLH)及代表蛋白(必背)。
⑬ エンハンサー/サイレンサーで締め
エンハンサーは位置も方向も自由で、結合タンパクが DNA をループさせて開始点に触れ転写を強める。逆がサイレンサー」と紹介して終えた(ユビキチン・プロテアソームにも軽く触れた)。收尾:增强子位置方向都自由、靠DNA成环够到起点增强转录;沉默子相反;还顺带提了泛素-蛋白酶体。
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知識マップ知识图谱(先看这张抓全局)

真核転写真核转录
プロモーター要素启动子元件
コア:TATA/BRE/INR/DPE核心:TATA/BRE/INR/DPE
上流:CCAAT↔CTF・GC↔SP1上游:CCAAT↔CTF、GC↔SP1
どれも必須でない都非必需
軸=TBP/TFIID核心=TBP/TFIID
TBP がないと転写不可无TBP不能转录
TFIID=TBP+TAFTFIID=TBP+TAF
3経路すべて TBP を運ぶ三条路都为送TBP
点火二段点火两步
TFIIH(ヘリカーゼ)→開放複合体TFIIH解旋→开放复合体
CTD リン酸化→始動CTD磷酸化→起步
NTP=材料兼エネルギーNTP=原料兼能源
転写因子の構造转录因子结构
ジンクフィンガー/ホメオドメイン锌指/同源域
bZIP / bHLHbZIP/bHLH
エンハンサー/サイレンサー增强子/沉默子
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TBP を開始点へ運ぶ三つの道逻辑链:把TBP送到起点的三条路

① 聚合酶は開始点を見つけられない
道標として TBP が必要。聚合酶找不到起点,需TBP插路标。
② TATA あり → TBP が直接結合
最も基本の組立。有TATA→TBP直接结合。
③ INR/DPE → TAF 経由で TBP
TAF が結合し TBP を連れてくる。INR/DPE→TAF结合带来TBP。
④ GCボックスのみ → SP1 接力
SP1→TAF→TBP の鎖。只有GC→SP1→TAF→TBP接力。
⑤ TBP 到着後に点火
TFIIH 開鎖→CTD リン酸化→始動。TBP到位后TFIIH开链、CTD磷酸化起步。
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解説详细讲解

RNA ポリメラーゼ3種と産物 三种聚合酶及产物

クラス / 类場所 / 场所主な産物 / 主要产物
I核小体核仁大部分の rRNA(18S/5.8S/28S)多数rRNA
II核質核质mRNA(タンパク質をコード)mRNA
III核質核质5S rRNA・tRNA・U6 snRNA5S/tRNA/U6

プロモーター要素と結合因子 启动子元件↔结合因子

シス配列(鍵穴) / 顺式序列位置 / 位置結合因子(鍵) / 结合因子
TATAボックス開始点 −25〜30起点上游约25-30TBP
BRETATA の隣紧挨TATATFIIB
INR / DPE開始点上/下流起点处/下游TAF
CCAATボックス上流上游CTF・C/EBP
GCボックス上流上游SP1

転写開始複合体の組み立て(3例) 转录起始复合体的三种组装

① TATA あり:TBP が TATA に直接結合→TAF・TFIIA/B/F・ポリメラーゼが集合。② TATA なしで INR/DPE あり:TAF が INR/DPE に結合し、それを足場に TBP を引っ張る。③ コア要素がなく GCボックスのみ(ハウスキーピング遺伝子に多い):SP1 が GCボックスに結合→TAF→TBP の鎖で運ぶ。共通結論は「TBP が鍵、単独では弱く、TAF/SP1 の助けで開始点へ運ばれる」。①有TATA:TBP直接结合再聚集众因子;②无TATA有INR/DPE:TAF结合作支点拉来TBP;③只有GC(管家基因多):SP1→TAF→TBP接力。共通结论:TBP是钥匙,单独弱,靠TAF/SP1运到起点。

点火:開放複合体と CTD リン酸化 点火:开放复合体与CTD磷酸化

TFIIH(H=ヘリカーゼ)が ATP を使って DNA 二本鎖をほどき、イニシエーター付近を一本鎖にする(開放複合体=「読む字が見える状態」)。次にCTD(ポリメラーゼ最大サブユニットの尾、ヘプタッド反復中のセリン)がリン酸化されると、ポリメラーゼがプロモーターを離れて動き出す(プロモータークリアランス)。リン酸化はセリン/スレオニン/チロシンでのみ起こる。TFIIH(解旋酶)用ATP打开双链成单链(开放复合体=有字可读);CTD(聚合酶尾巴的丝氨酸)被磷酸化后聚合酶离开启动子起步。磷酸化只发生在Ser/Thr/Tyr。

4つの DNA 結合ドメイン(要暗記) 四类DNA结合域(必背)

①ジンクフィンガー:Cys/His が亜鉛をはさみ「指」を作り DNA の溝に入る(SP1・ステロイド受容体)。②ホメオドメイン:ヘリックス・ターン・ヘリックス型、体軸を決める(大腸菌 CRP も同型)。③bZIP:塩基性ドメイン+ロイシンジッパー、ハサミ状で二量体(C/EBP、がん原遺伝子 Jun/Fos)。④bHLH:塩基性+ヘリックス・ループ・ヘリックス。①锌指:Cys/His夹锌成指插入DNA沟(SP1、甾体受体);②同源域:HTH型,定体轴(CRP同型);③bZIP:碱性域+亮氨酸拉链,剪刀状成二聚体(C/EBP、Jun/Fos);④bHLH:碱性+螺旋环螺旋。

エンハンサーとサイレンサー 增强子与沉默子

エンハンサーは転写を強める配列で、上流要素と違い位置にも方向にも依存しない(遠くでも逆向きでも効く)。結合タンパクが DNA をループさせて開始点の装置に触れるためである。逆に転写を抑えるのがサイレンサー增强子增强转录,位置和方向都自由(远处、反向都行),靠DNA成环够到起点装置;沉默子相反,抑制转录。

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つまずきポイント容易错的地方

❌ TATAボックスがないと転写できない
✅ TATA がなくても TAF や SP1 経由で TBP を運べる
没有TATA也能转录:靠TAF或SP1把TBP运到起点。
❌ コアプロモーター要素は全部そろっている
✅ どれも必須でなく、欠けていることが多い
核心元件都非必需,常常缺好几个。
❌ シス=タンパク質、トランス=DNA
シス=DNA(鍵穴)、トランス=タンパク質(鍵)
顺式=DNA(锁)、反式=蛋白(钥匙),别记反。

基礎問題基础理解题(这些懂了就过关)

基礎mRNA を転写するのはどのクラスの RNA ポリメラーゼか?转录mRNA的是哪类RNA聚合酶?
クラス II(RNA ポリメラーゼ II)II类。
基礎II 型のコアプロモーター要素を4つ挙げよ。举出II型核心启动子的4个元件。
TATAボックス・BRE・イニシエーター(INR)・DPETATA、BRE、INR、DPE。
基礎転写に絶対必須で、この回の軸となるタンパクは?本课核心、转录绝对必需的蛋白?
TBP(TATA結合タンパク)。TBP がないと転写は始まらない。TBP,无它不能起始转录。
基礎DNA 二本鎖を開く基本転写因子は?打开DNA双链的基本转录因子?
TFIIH(H=ヘリカーゼ、ATP を使う)。TFIIH(含解旋酶,用ATP)。
基礎4つの DNA 結合ドメインは?四类DNA结合域是?
ジンクフィンガー・ホメオドメイン・bZIP・bHLH锌指、同源域、bZIP、bHLH。
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発展問題进阶题

発展TATAボックスがない遺伝子でどうやって TBP を開始点へ運ぶか?没有TATA的基因如何把TBP送到起点?
INR/DPE があれば TAF がそこに結合して TBP を引っ張ってくる。GCボックスしかなければ SP1→TAF→TBP の鎖で運ぶ。いずれも『TBP を開始点へ』が目的。有INR/DPE则TAF结合拉来TBP;只有GC则SP1→TAF→TBP接力。都为把TBP送到起点。
発展エンハンサーが遠く・逆向きでも効くのはなぜか?增强子为何远处/反向也起效?
結合タンパクが DNA をループさせ、離れた開始点の基本転写装置に直接接触して活性を高めるため。だから位置・方向に依存しない。结合蛋白让DNA成环,直接接触远处起点的转录装置,故不依赖位置和方向。
発展CTD のリン酸化は転写の何を制御するか?CTD磷酸化控制转录的什么?
ポリメラーゼの始動と伸長。リン酸化されないと開始が起こらず、持続的リン酸化で伸長が進む。リン酸化は Ser/Thr/Tyr のみで起こる。控制聚合酶起步与延伸:不磷酸化不能起始,持续磷酸化推进延伸;只发生在Ser/Thr/Tyr。
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