最終回のテーマは、知識そのものより『判断のしかた』です。先生が何度も繰り返したのは一つ、100%の安全はどこにもない。普通の食べ物でもアレルギーで人は死ぬし、放っておけば微生物が毒を作る。それでも私たちは食べるし、車にも自転車にも乗る。つまり私たちは、いつも『これくらいのリスクなら許容する』という判断をしながら生きています。最后一回的主题,与其说是知识,不如说是“怎么判断”。老师反复强调一句:哪里都没有100%的安全。普通食物也会因过敏致死,放着不管微生物就产毒。可我们照样吃、照样骑车开车。也就是说,我们一直在“这点风险能接受”的判断里生活。
ここで大事なのが安全と安心の違い。安全は客観的なデータで評価できる(事故確率が低い、など)。でも安心は主観的な心の持ち方で、感情が混じる。だから、飛行機はデータ上は自動車より事故が少ないのに『怖い』人が多い。判断が事実ではなく感情で行われている、という自覚がまず大切だ、という話です。关键是安全和安心的区别。安全能用客观数据评价(事故概率低等);而安心是主观心态,掺了情绪。所以飞机数据上比汽车事故少,却很多人“怕”。先要意识到:判断常常是被情绪、而非事实驱动的。
この視点で遺伝子組み換え作物を見ます。『安全が証明されていないから反対』はよくある理由ですが、先生は『それは説得力がない』と言う。なぜなら普通の食品だって100%安全は証明されていないから。実際には実質的同等性——既存の食品と同じくらいの安全性があるか——で判断していて、遺伝子組み換え作物はむしろ普通の食品より検査を重ねている。用这个视角看转基因作物。“安全没被证明所以反对”是常见理由,老师说“这没有说服力”,因为普通食物也没被证明100%安全。实际是用实质等同性——是否和既有食品有同等安全性——来判断,而转基因作物反而比普通食品多做了检查。
『実験デザインで結果を誘導できる』例として、味の素(MSG)の話。1969年、マウスに体重比で膨大な量(人間なら味の素2瓶分を一気飲み)を与えて異常が出た、という論文が広まり、その後追試で否定され1980年に撤回された。でも撤回はニュースにならず、『味の素=危険』のイメージだけが残った。データは、出す人の都合で切り取れる、という教訓です。“实验设计能诱导结论”的例子是味精(MSG)。1969年给小鼠按体重比灌入巨量(换算成人相当于一口气两瓶味精)出现异常的论文被大肆传播,后来被追试否定、1980年撤回。但撤回没上新闻,只留下“味精=危险”的印象。教训是:数据可以按发布者的立场被截取。
狂牛病(BSE)とプリオンの話も同じ枠組み。2004年、アメリカでBSEが出て日本は米国産牛肉を全面禁輸。プリオンは、遺伝子でもウイルスでもなく『タンパク質が伝染する』異常な病原で、正常プリオンを異常型(βストランド優位)に変えて凝集させ、神経疾患を起こす。ここでも『市民は100%の安全(全頭検査)を求めがちだが、そのコストは異常に大きい』という、安全とコストのバランスの話につながります。疯牛病(BSE)和朊病毒也是同一框架。2004年美国出现BSE,日本全面禁进口美国牛肉。朊病毒既非基因也非病毒,是“蛋白质会传染”的异常病原,把正常朊蛋白变成异常型(β折叠为主)并聚集,引发神经疾病。这里又接到“市民倾向要100%安全(全头检查),但成本极高”的安全与成本平衡问题。
後半は『相関と因果』。2つのグラフがたまたま似た形なだけで『因果関係がある』と言い切る人がいる(ワクチン接種率と死亡率、など)。でも相関は因果ではない。優秀な研究者は、自分の思い込みを抜いてデータを見られる人だ、と先生は言います。フロンがオゾン層を壊すと分かったのは開発から約50年後、という『未知のリスクが後で分かる』例も添えられました。后半讲“相关与因果”。有人仅因两条曲线形状碰巧相似就断言“有因果”(如疫苗接种率与死亡率)。但相关不是因果。老师说,优秀的研究者是能抛开成见看数据的人。还补了“氟利昂破坏臭氧层是在开发约50年后才发现”这个“未知风险后来才显现”的例子。
締めのメッセージは二つ。感情や常識ではなくデータで判断すること、そして問題にしていることだけでなく全体を捉えること。そのためには勉強と教養がいる。だから最後は『一人一人の行動も社会の仕組みも大事、そして人を愛し地球を愛する気持ちが出発点』という言葉で終わりました。收尾有两句:用数据而非情绪或常识判断;以及不只盯着问题本身,要把握整体。为此需要学习和教养。所以最后落在“个人的行动和社会的机制都重要,而爱人、爱地球的心是出发点”。
安全と安心、そして実質的同等性 安全与安心,以及实质等同性
安全は事故確率などの客観的データで評価できるが、安心は主観的な心の持ち方で感情が混じる。だから飛行機はデータ上自動車より安全でも『怖い』人が多い。遺伝子組み換え作物の安全性は、既存の食品も100%安全とは証明できないため、既存食品と同等の安全性があるか(実質的同等性)で判断する。むしろ遺伝子組み換え作物は普通の食品より検査を重ねている、と先生は整理した。安全能用事故概率等客观数据评价,安心是主观心态、掺情绪,所以飞机数据上比汽车安全,很多人却“怕”。转基因作物的安全性,由于既有食品也无法证明100%安全,因此用“是否与既有食品有同等安全性”(实质等同性)判断;而且转基因作物反而比普通食品多做检查。
相関は因果ではない 相关不是因果
2つのグラフがたまたま似た形をしているだけで因果関係があると主張する例(ワクチン接種率と死亡率など)を挙げ、相関=因果ではないと注意した。因果を示すには、コントロールを取る、まったく別の方法でも対応が見られるかを確かめる、といった手続きが必要。優秀な研究者は自分の思い込みを抜いてデータを見られる人だ、というのが先生のメッセージ。老师举例(如疫苗接种率与死亡率):仅因两条曲线形状碰巧相似就主张因果是不对的,相关≠因果。要证明因果,需要设对照、用完全不同的方法看是否也有对应等步骤。优秀研究者能抛开成见看数据。