この回は、分液漏斗をもう一度イメージすると分かりやすいです。水の中に目的物質がある。そこへ有機溶媒を入れる。振る。すると目的物質は水相と有機相に分かれます。ここまでは前回の話です。这一节先继续想分液漏斗:目标物质在水里,加入有机溶剂,摇一摇,目标物质会在水相和有机相之间分配。到这里是上一节的内容。
今日の大事な問いは、一回で大量の有機溶媒を入れるのと、少量ずつ何回か入れるのでは、どちらがよく取れるかです。答えは、多くの場合、分けて抽出する方です。理由は簡単で、残った水相に新しい有機相を入れるたびに、もう一度新しい分配平衡が作られるからです。今天真正的问题是:一次加入大量有机溶剂,和少量有机溶剂分几次加入,哪个抽得更干净?很多情况下,分次抽出更好。因为每次把新的有机相加入剩余水相时,都会重新建立一次新的分配平衡。
たとえば分配定数が大きければ、目的物質は有機相に行きやすい。でも一回目の抽出後、水相に少し残ります。その残りに対して、また新しい有機相を入れる。すると残りの中からまた一定割合が有機相へ移る。これを繰り返すので、水相に残る量はどんどん小さくなります。如果分配常数大,目标物质倾向进入有机相。但第一次抽出后,水相里仍会有残留。对这个残留再加入新的有机相,它又会按比例转入有机相。这样重复几次,水相残留会越来越小。
次に、有機酸の話に入ります。有機酸は、水の中ではH⁺を外してイオンになることがあります。イオンになった形は水に残りやすい。一方、電荷を持たないHAの形は有機相へ行きやすい。つまり、同じ物質でも、pHが変わると、どの形で存在するかが変わり、抽出されやすさも変わります。接着进入有机酸。有机酸在水中可能失去H⁺变成离子,离子形更容易留在水相;不带电的HA形更容易进入有机相。所以同一种物质,pH改变后存在形态会变,抽出容易度也会变。
だからここでK_DとDを分けます。K_Dは一つの形だけを見る分配定数です。Dは、水相と有機相にいる全部の形を合計して見る分配比です。酸解離や錯形成があると、実験で効いてくるのはDの方です。因此要区分K_D和D。K_D看的是一个化学形态的分配常数;D看的是把水相和有机相中全部形态加总后的分配比。涉及酸解离或络合形成时,实验上真正重要的是D。
最後に金属イオンの抽出です。金属イオンはそのままだと水相に残りやすい。でも配位子と錯体を作り、中性に近い形になれば、有機相へ移りやすくなります。ここでもpH、配位子濃度、錯形成定数、錯体の分配が全部つながって、金属種の分配比が決まります。最后是金属离子的抽出。金属离子本身容易留在水相,但如果和配位子形成较中性的络合物,就可能进入有机相。这里pH、配位子浓度、络合形成常数、络合物分配都会连接起来,共同决定金属种的分配比。
1. 繰り返し抽出 1. 重复抽出
1回抽出した後、水相にはまだ目的物質が残る。その水相に新しい有機相を加えると、もう一度分配平衡が成立する。したがって、同じ総量の有機溶媒を使うなら、一度に全部入れるより、少量ずつ複数回に分けた方が残留濃度を小さくしやすい。一次抽出后,水相中仍有目标物残留。向这个水相加入新的有机相,会再次建立分配平衡。因此在有机溶剂总量相同的情况下,比起一次全加,分成少量多次更容易降低残留浓度。
授業ではK_D=9の例を使い、同体積の有機相で2回抽出すれば水相濃度が元の1%になることを確認した。一方、同じことを1回で行うには水相の11倍の有機相が必要になる。课堂用K_D=9的例子确认:同体积有机相抽2次可把水相浓度降到原来的1%。若一次完成,则需要水相11倍体积的有机相。
2. 有機酸のpH依存 2. 有机酸的pH依赖
有機酸HAは、水相でH⁺とA⁻に解離する。A⁻は電荷を持つため水相に残りやすく、HAは中性なので有機相へ移りやすい。したがってpHが低く、HAの形が多いほど抽出されやすくなる。ここではK_Dだけでなく、酸解離を含めた分配比Dが重要になる。有机酸HA在水相中解离为H⁺和A⁻。A⁻带电,易留水相;HA中性,易进入有机相。因此pH较低、HA比例较高时更容易抽出。这里重要的不是单一K_D,而是包含酸解离的分配比D。
3. 二塩基酸の場合 3. 二元酸的情况
H₂Xのような二塩基酸では、H₂X、HX⁻、X²⁻という複数の形が存在する。pHが変わるとどの形が多いかが変わり、Dも変わる。logD-pHの図では、酸性側・中間・塩基性側で傾きや一定領域が変わる。像H₂X这样的二元酸存在H₂X、HX⁻、X²⁻等多种形态。pH改变会改变主要形态,D也随之改变。在logD-pH图中,酸性侧、中间区、碱性侧会出现不同斜率或平台。
4. 金属錯体抽出 4. 金属络合物抽出
金属イオンMⁿ⁺はそのままでは水相に残りやすい。そこで配位子HLを使い、L⁻と金属イオンが錯体ML_nを作ると、電荷が小さい形として有機相へ移りやすくなる。この場合、HLの酸解離、錯形成定数β、錯体そのものの分配定数をまとめて考える必要がある。金属离子Mⁿ⁺本身容易留在水相。使用配位子HL时,L⁻与金属离子形成络合物ML_n,若成为电荷较小的形态,就更容易进入有机相。这时必须把HL的酸解离、络合形成常数β和络合物自身的分配常数一起考虑。